37 ■■ 見せるマジックと魅せるマジック ■■ 2008-06-08 (Sun)

マジックは道具によっては誰にでも簡単にできる。
私は常々「片手に茶碗を持って、もう一方の手に箸を持ってご飯が食べれる人なら誰でもマジックができる。」と言っている。
不器用な人でもデパートやショップに行って道具を買って説明書を読んである程度練習すれば見事に皆マジシャンである。

逆にテクニックに関して言えば、マニアや愛好家の方がプロよりはるかに上手い人が多い。
恐ろしく凄いテクニックを駆使して道具に頼らず、ビジュアルな現象を次から次に繰り出してしまう。

さて、観客はどっちを見たいと思うのだろうか。
不器用な人のマジックか超テクニック系のマジシャンか・・・。
多分答えはどちらでもなく、とにかく面白くて楽しいマジックを見たいのではないだろうか。

因みに彼氏にしたい男性像の上位は毎年「面白くて楽しい人」なのである。
器用か不器用かより、道具を持ってるか持ってないかより、マジックの知識を知ってるか知ってないかより、カッコいいか悪いかより、ほとんどの観客は見たいか見たくないかを面白いか面白くないかで判断するのである。

よく、「彼のマジックは安心して見れるね。」とか「彼のやり方は綺麗だね。」という話をする人がいるが、それはその「彼」にとって間違いなく褒め言葉ではない。

ではなにが「面白くて楽しい」のか・・・・。
実はそれを追求する事がマジシャンにとって永遠のテーマだと思う。
一流の料理人でさえ万人に忘れられない美味しいと思う料理を創作するのが永遠のテーマなのである。
お客さんにとってとても美味しい料理はまた食べたいと思うのと同じで、面白くて楽しいマジックも観客にとっては何度でも見たいものであるはずだ。

それが本当の意味の魅せるマジックだと信じている。


36 ■■ 以前のココログから抜粋 ■■ 2008-04-21 (Mon)

2006年1月23日 (月)から2007年10月29日 (月)までの短い間にニフティのShinPeiLogに掲載してたブログ(ココログ)から重要だと思うことを抜粋して下記に掲載。

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2006年4月21日 (金)

□□ 似非サカートリック □□

ここ数年間、耳を突くマジシャンの台詞がある。
「貴方の選んだカードはこれです! え? 違いますか?」
これがわざとらしいと思うのは私だけだろうか。

もうマジックは完全に市民権を得ていて見慣れている観客も非常に多い。
昔だったら使えた台詞だが現在は観客から「間違った振りしてるんじゃない?」とか「どうせ当てるんだろ?」とか言われる恐れがある。
当然間違いなく最後は当ててしまうのだから先にそう言われたらやり辛いはずだ。

だったら最初から素直に「これは貴方の選んだカードですか?」と聞けばいい。
簡単な事だ。

最初は失敗した振りをしないと先に進めないマジックはやめた方がいい。
場合によってはほんとうに失敗する。
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2006年5月18日 (木)

□□ マジック考察 □□

まずは下の映像をごらん頂きたい。

http://www.magic.to/mov/tvm.wmv

ここで使われる技法はタップバニッシュ(ストライクバニッシュとも言う)とフィンガーパームのふたつのみでトリックコインやギミックなどは一切使用していないが即興的で非常に不思議で効果的なマジックである。
必要な物は観客から借りた100円玉1枚とゼブラのハイマッキーのふたつのみ。

技法は昔からあるものだが、手順・演技は私のオリジナルである。
ハイマッキーの小でサインを書かせ、大のキャップの中からコインを現す。
すべてが関連付けされていて、なにひとつ無駄な物や動きはないはずだ。

現象は観客から借りたコインにサインペンでサインをしてもらい、そのペンでコインを叩くと消えてなくなる。ペンのキャップを外すとその中から観客のコインが現れる。
文章化すればこうなるだろう。カタログに載せる場合は多少雰囲気などを誇張して購買者の心をくすぐるはずだ。

観客が不思議に思う箇所はふたつ。
ひとつはコインが消えた事、もうひとつはキャップの中から現れた事だ。
そしてこのマジックで一番重要な事もふたつある。
1回目に普通にコインを叩き音を出して、タップバニッシュ時にも同様に同じ音を出す事。
そして最後にキャップからコインを出す時、出しにくそうにキャップを持った手をテーブルに何回か叩きつける事である。
音は非常に重要な役割をしている。

もうお気付きだろうが上記の解説をよく読むと「ふたつ」という言葉が多く出てくる。
ひとつでは足りない、しかし3つでは多すぎるのが本当のマジックではなかろうか。
あのバーノンもひとつの演技にふたつ以上の技法を使わない方がいいと言っていた。

このマジック考察については何回かに分けて解説していこうと思う。もしかしたらふたつで終わるかもしれない。
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2006年5月27日 (土)

□□ マジック考察A □□

演技中のおしゃべりを変えると観客が驚くところが4箇所に増える場合がある。

基本的に観客が驚く箇所は下記のふたつだけ。
1、観客から借りたコインにサインペンでサインをしてもらい、そのペンでコインを叩くと消えてなくなる。
2、ペンのキャップを外すとその中から観客のコインが現れる。

ところが各々の演技の前に下記のフレーズを言うとこうなる。

マジシャン「今からこのサインペンで手の平のコインを叩くと、瞬間に消えてしまいます。」
観客「えー! うそー!」
マジシャン、コインを消す。
観客「あー! 消えたー!」
マジシャン「消えたコインはこのサインペンのキャップの中から現れます。」
観客「えー! うそー!」
マジシャン、コインを出す。
観客「うぁー! 出てきたー!」

これはミスターマリック氏の手法である。自信がないとこの台詞は言えない。
演じる前に観客に期待と興奮をあおる面白い手法ではないか。
サーストンが聞いたら泣くだろうが時代は変わったのである。
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以上、現在は閉鎖したShinPeiLog(ココログ)から3つだけ抜粋。

35 ■■ 3年ぶりのモノローグ ■■ 2008-04-08 (Tue)

 モノローグ(独り言)を公にすること自体がナルシスト(自己陶酔型人間)の証拠だと言われればその通りなのだろう。

マジシャンは観客が選んだカードを当てた時やシルクから鳩を出した時、必ず「ニヤッ」と笑う。
メンタルやサイキックマジシャンともなると斜に構えて必ず「ニヤッ」と笑う。
つまり間違いなくマジシャンも自己陶酔型人間(ナルシスト)なのである。

そんなナルシストの私が2003年に書き始めて2005年に小休止して以来、3年ぶりにまた書き始めようとしている。
その理由は、ある程度言いたい事がストックされたことと以前よりか比較的暇になった事。
そしてなによりもこのモノローグの再開を期待してくれている人たちからのメッセージを多く頂いた事である。



 ところでマジックにおける重要な要素は演出でありそれに併走するちゃんとした演技があってこそ、そのマジックショーを観客が楽しんでくれるはずだと信じている。

 因みに今年は大正97年で昭和83年、そして平成20年だ。
この全部の数字を足すと200になる。
「だからどうした!」と思う人は一流のプロマジシャンにはなれない。
もし200をテーマにしたイベントがあって、そのイベントに出演依頼されたらその場限りの最高の演出ができるではないか。
例えば「〇〇開催まであと200日」とか「200名限定イベント」とか「開業200周年記念」とか「〇〇200回記念」などなど。
そんなイベントに呼ばれた時に「実は今年は大正97年で昭和83年そして平成20年で全部の数字を足すと200になるのです!これは偶然で片付けられない、間違いなくこのイベントに幸運を呼ぶ歴史的な日であり数字なのです!」などと言えばクライアントは間違いなく大喜びする。
 ただ単に無理した関連付けなのだが、観客は感心し、クライアントは喜び、イベント屋さんは満足する。
つまり「無理した関連付け」は私たちで言うところの「フォース」なのである。
そしてその200に関連する(無理した関連付け)マジックを披露すれば良いのだ。

 ついでに言えば200でなくても「大正97年・昭和83年・平成20年」は97と83と20の数字だから引いたり足したりすればなんとか依頼されたイベントのその場しのぎができるはず。
「その場しのぎ」大好きな言葉である。
ある意味私は「その場しのぎ」を人生訓として生きてきたような気がする。
私にとって人生とは「その場しのぎ」の繰り返しなのだろう。


 ギャラが発生しない場所は別としても「手品さえやってくれたらいいですから。」と言うイベント屋さんは絶対にいない。
クライアントもイベント屋さんも観客に喜んでもらえるマジックショーを絶対に期待しているのである。
そしてなによりも実は観客がそれを一番期待しているのである。